ぼくらの時代の本

星:40(19)

価格:900円(税抜)

配信形式:ストリーミング, ダウンロード

本と本作りの「今」はこんなことになっている??。

ある時はFlipboardやSmartNewsのデザインを手がけ、ある時はクロス箔押しの豪華本をプロデュースし、ある時は出版スタートアップにアドバイス。メディアの垣根を越え、国の垣根を越えて活躍する著者が、その活動から得たものとは。本と出版に向き合おうとするすべての出版者、デザイナー、開発者に贈る7つのエッセイ。

【目次】
第一章 「iPad時代の本」を考える――本作りの二つのゆくえ
第二章 表紙をハックせよ――すべては表紙でできている
第三章 テキストに愛を――こんなEリーダーが大事
第四章 「超小型」出版――シンプルなツールとシステムを電子出版に
第五章 キックスタートアップ――kickstarter.comでの資金調達成功事例
第六章 本をプラットフォームに――電子版『Art Space Tokyo』制作記
第七章 形のないもの←→形のあるもの――デジタルの世界に輪郭を与えることについて

【著者】
クレイグ・モド(Craig Mod):
作家、デザイナー、開発者。本とメディアとストーリーテリングの未来に関心を持ち、東京とニューヨークを拠点に世界各地で活動中。2011年、iPhone版Flipboardアプリのプロダクトデザインを手がける一方で、作家としてMacDowell Colonyライティングフェローに選ばれる。2012年にはIT起業家としての業績を認められTechFellow Awardsを受賞。また出版シンクタンク「PRE/POST」を設立し、紙と電子の本をプロデュース。現在も、Twitter創業者Evan Williams氏、Biz Stone氏らが立ち上げた出版プラットフォーム「Medium」のアドバイザーや、日本でも人気のスマートフォン用ニュースアプリ「SmartNews」のUIデザインアドバイザーなどとして幅広く活躍している。共著書に『Art Space Tokyo』『マニフェスト 本の未来』等。http://craigmod.com

レビュー

星:30

2015-12-05

紙を中心とした書籍から電子書籍へのパラダイムシフトを経て、我々は何を得て、何を失うのか。この問いに対する考えを深めることが本そのものの価値の再定義へとつながり、我々はこれよりも豊かな読書体験を獲得することができる。

星:40

2015-04-23

電子の本が生まれると、皮肉にも、紙の本の質が高まる。
大切なのは、それぞれの本質を見極め、
「居場所」と「可能性」を模索すること、という話。

・電子書籍は、「意味」が失われるわけではない。
質が失われる、と嘆かれる。
→電子書籍ならではの「質」を追求するべき。

・電子書籍は、めくる必要すらない。

・紙の本を、新しいキャンバスとして再定義してみる。

・オンラインマーケティングにおける、本の「表紙」の価値。
画像より、評価が気になる私たち。
→目立つ表紙。文字は必要ない。サイトにタイトルがあるから。

・本の中身全体が、表紙として扱われるべき。
→検索対象である、という意味で。

・イノベーションのジレンマ。
人は、問題に直面してからほしいものを知る。
→問題こそ、分析するべき。

★本の未来は、ネットワーク化したプラットフォームの上にある。
=kindle,ibook,,

kindleで本を買うということは、
kindleのプラットフォームにおける利点(レビューやシェアなど)を利用(接続)できるということである。
そこにこそ価値がある。

・紙は紙の。電子は電子の。デザインが必要。

・デジタルでのものづくりにおける、手応えのなさ。
アナログの本は「輪郭」と「重さ」を与える。

プロジェクトの集大成として、本にする。

ex)卒業アルバムは、時間を物質化している、とも言える。

星:30

2015-03-28

・形を問わないコンテンツはデジタル形式に移行する。
・明確な形を伴うコンテンツはiPadと紙の本の二つに分かれる p18

・ぼくらが作るその本は、手の中でしっかりとした存在感を持つものとなる。
・ぼくらが作るその本は、懐かしい図書館のような匂いがするものとなる。
・ぼくらが作るその本は、あらゆるデジタル機器を使いこなす子供たちにさえ、その価値がわかるものとなる。
・ぼくらが作るその本は、紙に印刷された本が思想やアイデアの具現化であり得ることを、常に人々に思い出させるものとなる。p19

「MATTER」はウェブサイトでもない、雑誌でもない、本の出版社でもない。「MATTER」は何か別のものー紙からデジタルへの移行で大きな打撃を受けた、質の高いジャーナリズムの新たなモデルである。長文への特集記事を1本ずつ売り、パソコン、携帯、電子本専用端末、タブレット、様々なデバイスで読めるようにするという我々の取り組みは、良い記事を生み出すために費やされる多大な努力への対価を払うという持続可能な方策となり得る。p91