みかづき

星:40(635)

価格:1665円(税抜)

配信形式:ストリーミング, ダウンロード

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。山あり谷あり涙あり。昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族の感動巨編!

レビュー

星:50

2017-10-31

自分にとって塾に行くことは普通で、周りに行ってる子も多いしそんなもんだと思ってた。
わからないってわからないけど何がわからないかがわからないからなんとなくそのままにしていたことを思い出した。中学生のとき、塾の先生がとても熱心ですごく分かりやすく教えてくれた。その先生のことが今でも大好きだ。
高校生のとき、親が受験に心配して家庭教師の先生を呼んでくれて、先生も分からなかった問題がかあって「来週調べてくるね」と言った先生は調べてこなかった。今思えば、女子大生のバイトだからそんなもんなのかもしれない。

でも2人の"教育"に対する熱量の違いをこの本を読んで思い返してしまった。
この本は昭和からの日本教育、その影から生まれた塾のことを教えてくれました。時代背景とともに変わる教育のかたち。その渦中にいた人物の人生と共に書かれていて、すごく面白かった。
すごく起伏があるわけではないのに、章が変わると思わぬ切り口からはじまる始まり方は本当にすごいし面白い。そして森絵都さんが好きだと思わずにはいられなかった。

星:40

2017-11-03

戦後から現代までの親子3代の教育事業に関する大河小説。

戦後から現代までの学校外教育をテーマとした物語で、前半が塾創始者、後半がその伴侶、最終章がその孫の視点で描かれることで、家族のドラマとしても成立しているのはさすがだと思いました。
塾といえば、自分の子供のころの塾通いの話題を学校では避けていたことなど時代の子供の感性も取り入れていて、どの世代も共感できるのではないかと思いました。
それにしても、基礎学力は読解力だと再認識しました。

星:50

2017-10-24

教育が持つ影響力や力強さを改めて感じさせてくれた一冊。
教育は、誇張ではなく、子供や学習者の生きる力や能力を与えることができる。
そう信じて、教員になった人、塾をたちあげた人、無料の学習支援教室を作った人が、本書の主人公である。
彼らの教育へのまっすぐな思いに心が揺さぶられた。

私は、社会人教育に携わる仕事で営業職に就いているが、本書に出てくる主人公が持つひたむきさを、改めて持ちたいと思った。
今までは、どうやって自分の売り上げを伸ばすか、顧客へクロージングするかという点に仕事の面白さを見出していた。入社当初は、社会人にも学習の面白さを伝えたくて働いていたが、いつからか、自分の売り上げを上げることが楽しみになっていた。
この本を読んで、顧客もどうすれば社員教育を面白く出来るかということに興味があったり、悩みを抱えているのではないかと思った。まるで、自分の子どもに勉強の楽しさを教えたいと考えている親のように。

そうであれば、塾業界も学校も社会人の人材育成も、きっと、根底にある思いは、どうすれば学びは楽しくなるかということに集約されるのでは無いだろうか。

仕事をする上でのこうした思いに気付けたことが嬉しく、この本を読んで良かったと心から思う。

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