やめるときも、すこやかなるときも

星:30(81)

価格:1440円(税抜)

配信形式:ストリーミング, ダウンロード

家具職人の壱晴は毎年十二月の数日間、声が出なくなる。過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは。変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。

レビュー

星:40

2017-06-18

まともに異性と付き合ったことのない30過ぎの女性と、過去のつらい経験から逃れるために手当たり次第女性と関係を重ねる椅子職人の、不器用な恋愛物語。
二人が交互に語り手となって進んでいく。

自分を取り巻く現実に不満だらけで、そこから逃れるために結婚を望む女性の言動は幼稚で、最初のうちはあまり肩入れできなかった。
が、飲んだくれの父親の暴力や貧しい家庭の実情、さらには相手の男性のトラウマの原因が明らかになるにつれて、人間味が深まり、気がつけば不器用すぎる二人の恋愛を応援していた。

母親や師匠、友人など、彼らを取り巻く人たちもみな不完全なのだが、その分現実的な味わいがあり、読んでいて優しい気持ちになれる。
浮わついた恋愛物よりも、ずっとよかった。

星:40

2017-06-14

静かな物語。

二点、不可解な点が。
一つ目は、真織さんが轢かれるシーン。
どんな状況か、全然分からなかった。
大切なシーンだと思うので、そういうところでのわかりづらさは残念。
二つ目は、終盤。ギャラリーに来た真織さん。
どういう含意があるのか。
よくわからなかったのが残念。
枝葉末節ではあるのだろうけど、気になった。

星:50

2017-06-14

記念日反応か。初めて聞いたけど、あるんだね、こんな症状が。
私も若い時に、今でも忘れられない女性と別れた後の気持ちが、よく似ていたので、すごく共感できた。
二人の心の機微が上手く表現されていて、大変良かった。

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