浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―

星:40(40)

価格:900円(税抜)

配信形式:ストリーミング, ダウンロード

これは「浪費」ではなく、「愛」です。

2016年末に発行された文芸同人誌『悪友』。
現代のオタク女性たちが、どのようにお金を使い、対象に愛を注いでいるのかを赤裸々に綴ったこの本は、Twitterを中心に話題になりました。

そんな話題の同人誌が、この度書籍化!
アイドル、俳優、声優、同人誌、舞台、コスメ、ホスト・・・などなど、何かに熱い「愛」を注ぐ女性たちの匿名エッセイはもちろん、「トクサツガガガ」の丹羽庭先生による描き下ろしコミックエッセイや、アイドル好きが高じてアイドルの振付師になったタレント/振付師の竹中夏海先生へのインタビューなど、新たに内容を増補し、更に深く、多角的な「愛」の形を表現しています。

また、2000人を対象に採ったアンケートでは、衝撃の真実が発覚!?貯金額や手取り、クレジットカードが止まった話・・・などなど、なかなか人におおっぴらには言いづらい、オタク女性たちの真実の姿が描かれています。

「あ~この気持ち、分かる分かる!」と頷きたいあなたも、「最近の若いもんはどんな風にお金を使ってるんだ・・・?」と興味本位なあなたも、是非、お手にとってみてください。

【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。

レビュー

星:40

2017-09-05

 私が若く貧しかったころ、本を買うお金と遊びに行くお金を「精神のパン」と名づけ、食費と同じように大切なものと決めていた。やばいな、もうお米もなくなるのにな、と思いながら、その場かぎりのぴかぴか光るような時間にお札を突っ込んだ。カネがないなんて誰にも言わなかった。かわいそうになりたくなかった。困ってなんかいない、努力なんかしていないという顔を保って、楽しいことをしたかった。お金がなければないほど皮膚が鋭敏になり、生きている、という感じがした。

 生活が落ち着いてからは旅行が趣味に加わった。結果、道楽の費用は家賃にせまる勢いである。ほかのどの家計費目よりぶっちぎりに高い。全体に豪快なのではない。むしろけちだ。嫌いな単語は手数料と(取られるほうの)利子。地下鉄一駅ぶんどころか三駅分は歩く。何のために?趣味のためにだ。美しいものを読んで、観て、体験するためだ。エステ?タクシー?会員制ジム?ははは、ご冗談を。

 そんな自分をなかなかの極道者だと思っていた。けれども、本書を読んで反省した。「精神のパン」どころか、フルコースいっちゃってる人たちがばんばん出てくる。そしてその浪費哲学を余すところなく語っている。貴族だ、と思った。この人たちは貴族だ。彼女たちと比せば私は「精神のパン」に干し肉をつけただけで満足している清貧の民である。私は字が書いてある紙があれば最低限の幸福を得ることができる。こんなに安上がりな種族もない。

 どちらが良いというものでもないが、清貧の民のみなさん、貴族の舞踏会、覗いてみたくはないですか。私は覗いてみたかった。だから買った。そして衝撃を受けた。貴族、すごかった。精神の貴族たるものの価値判断は全力で当人の「尊いと感じるもの」に準じている。今年は野菜が高いから、というような判断は脇に除けられる。だって、貴族だから。生まれた時からの、ではなくて、当人が選んだ「神」に理性をもって決定した内容の献金をおこなう信仰者であるから。その背筋はいつでもすっきりと伸び、その瞳はきらきらと輝き、暗いところで字ばかり読んでいた私は舞踏会への馬車を見送るような気持ちになる。自己決定による多様な「王子さま」を措定し、平気でそれを取り替えたりする、強靱なシンデレラたち。

 何がすごいといって、エネルギーがすごい。たとえば毎週舞台を観る、それだけでも私なら力尽きてしまうのに、チケットの売買を重ね、なんならその舞台のためだけに弾丸海外ツアーを敢行する。翌日はなにくわぬ顔で出勤する。そして得たお給料でまた、舞台を観る。そのありさまを読むと最初はあきれて、それから感動する。

 いくら好きでもそんなに入れ込んだら疲れないかと思うんだけれども、貴族たちは疲れるどころか元気になっている。なんなら生きる動機を得ている。生きる動機とか滅多に買えないし、それなら使えるだけ使ってもいいのかな……と思えてきたら、本書のねらいのとおりなのだろう。周囲から浪費ととられる出費は彼女たちの人生に欠かせない「愛」だ、と主張するために、本書は書かれた。きっと。

星:50

2017-09-14

浪費は愛!
浪費は愛だし、私は浪費によって日本経済バリバリ回してるぜと思ってる私にはぴったりな本。
浪費の形、愛の形は人それぞれ。同人誌版も面白い!

星:50

2017-08-31

うわーわかるわーめっちゃわかるわー。ってなる。これは浪費じゃなくて自己投資なんだって言い聞かせるけど、心のどこかで浪費だなあって気づいてはいる。